2017/05/17

売り上げ低迷から脱出する

 -顧客満足ではなく顧客価値を目指す

1.簡単には売れない
 多くの企業が売り上げの低迷に悩んでいます。
 特に地域中小企業、小規模事業者にとっては、簡単には売れない時代となっています。単に良いモノを作れば、提供すれば、売り上げが上がるという時代ではありません。大手企業が多くのモノを作り売っています。よく似た品質の製品があふれており(コモディティ化)、その中で小規模事業者が成果を上げていくことは大変です。
 つまりマーケティングの4Pでいえば、良い製品(Product)を出したというだけでは、それをPRしただけでは(Promotion)、期待した売り上げには結びつかないという状況です。

2.顧客満足から顧客価値へ
 マーケティングの4つのPは、生産者・販売者の視点からみたものです。こんなに良い製品・サービスができたということで当然売れるれるものと考えるは生産者・サービス提供者からみると当然です。
 しかし、これを顧客からみるとどうでしょうか。「よく似た商品があるし、それと大きな差が無いようだし、今まで使っていたものを使うことにしよう」、ということになるでしょう。
 顧客の視点からみて、一定程度の品質を持った商品であれば、それで満足であり、改めて従来からの購買行動を変えるまでインパクトが無いときは、期待どおりには売れないということです。
 つまり、顧客満足は与えているとおもわれますが、よく似た品質のものが多いと、それが飛躍的な売り上げには結びつきにくいということです。
 顧客の視点からみて買いたい、利用したいと思うのは、何かです。
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 それは、顧客価値です。顧客がまた買いたいと思う商品等にある価値、友達に自慢したいと思う商品等にある価値です。つまり、顧客満足を超えた顧客価値を提供することです。
 そのような顧客価値を有する商品等を作り出すこと、提供することです。
 それは、経験価値です。五つの経験価値の視点から商品・サービスを見直す(新たに作り出す)、6つの代表的な感動語から商品・サービスを新たに作り出す(または見直す)ということが効果的だと考えられます。
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3.顧客からみた強みは何か
 3C分析やSWOT分析をして、競合相手から見た、自分のところの強み、真の強み、特色は何か、を把握します。この強み・特色を、顧客満足ではなく、顧客価値の視点から確認して、顧客価値からみた魅力的な商品・サービスとしてブラッシュアップするなどの取組みを、企業・事業者全体として進めていくことが大事です。


参考:海野進『経営課題解決に向けたフレームワーク活用-地域中小企業、非営利的組織の持続的発展のヒント』(三恵社)

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2017/05/01

能作の地域経営HUB機能への挑戦

 -個別企業経営と地域経営の連携-

<個別企業経営における地域経営との連携の重要性>
 地域活性化などを目指す地域経営においては、地域全体として発展を目指す経営を進めるとともに、個別企業が個別企業として発展すること、さらに個別企業における「地域の経営活動」(地域全体の発展にかかる活動、地域の発展を目指す活動)が大事であり、地域経営における課題として指摘したところです(図表参照)。(海野進『地域を経営する-ガバメント、ガバナンスからマネジメントへ』(同友館、2009年4月)pp.72-78)

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 つまり、地域における個別企業が地域の発展につながる活動を行うこと、機能を果たしていくことが重要であり、これらの活動が有効であれば、地域の活性化(地域経営の発展)につながるといえます。


<地域経営HUB機能>
 HUB機能は、当該施設を拠点として放射状に他施設等に移動・展開していくという機能を果たしていく仕掛けです。これを地域経営においては、地域の放射状移動・展開機能を持つのは公共的な観光施設でしょう。通常の公共観光施設では地域内の他の観光名所等を紹介することによって、この地域経営HUB機能(地域活性化HUB機能)を果たすようにしています。


<能作のHUB機能への挑戦>
 富山県高岡の伝統工芸である銅器の鋳物メーカーで、伝統工芸で培われた技術を活かし、曲がる錫製のKAGOなどデザイン性の優れたテーブルエアなどヒット商品を生み出している(株)能作(富山県高岡市フィスパーク8-1)が2017年4月末に新社屋を完成させました。ここにおいては、このHUB機能を果たすというコンセプトのもとに産業観光の機能を持った施設です。

 具体的には、新社屋(施設)においては、
  ・プロジェクションマッピングによる富山の見どころ紹介
  ・社員おすすめの食や祭り名所を紹介するカードの掲示
  ・「100のそろり」の展示
がHUB機能を果たしているといえます。

 まず、プロジェクションマッピングによる富山の見どころ紹介は、エントランスにおいて視覚に訴えるかたちで県内の観光情報や見どころを映し出しています。これにより、他の観光施設に行きたいという気持ちになります。(施設内に他の観光地を紹介するというのは、公共的な観光施設として行われているHUB機能です。それを民間企業で行うというのはあまり多くはないのではないでしょうか。)

 また、プロジェクションマッピングが映し出している場所で、社員おすすめの食や祭り名所を紹介するカードが置いてあり、気になる人はそれを持ち帰り、それを元にそのカードの場所に移動することを誘引しています。

 特筆すべきは「100のそろり」の展示です。「100のそろり」は入口に展示されています。「そろり」は古来より茶席で使われている一輪挿しのことですが、伝統工芸のまち「高岡」の職人100人が、能作の「そろり」をベースに、それぞれの技術をもって自由にデザイン・製作しました。能作が、創業100周年を迎え、「100のそろり」の製作を企画したものです。高岡の職人それぞれが持つ伝統に培われた技術を基に個性豊かな作品が展示されています。この「そろり」の作品を見て、気に入った職人のいる工房を訪ねたり、その職人の作品を置いてある店を訪れたりすることが期待されます。

 このように、産業観光施設でもある能作の新社屋は、県内の観光や伝統工芸に関して移動トリップの中継機能、中継の仕掛けを持っている、つまり地域経営的なHUB機能を持った施設です。


 この能作の地域経営HUB機能への挑戦が、実績として成果につながっていくことを期待したいと思います。

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2017/04/16

拙著が日本マーケティング学会のfacebookの著書紹介に掲載されました

拙著
海野進『経営課題の解決に向けたフレームワーク活用 -地域中小企業、非営利的組織の持続的発展のヒント-』三恵社、2017年

日本マーケティング学会のfacebookの【私の著書紹介】のコーナーに掲載されました。


地域中小企業・小規模事業者や非営利的組織の経営、経営改善、経営革新などに役立てばと思います。

経営者、経営関係者、経営支援者、さらには、商工会議所・商工会の経営指導員、金融機関関係者などの方々に、利用いただければ幸いです。


ぜひ様々な機会に、ご活用ください。

 

アマゾン
紀伊国屋書店
丸善・ジュンク堂書店

 

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