企業・組織の発展において顧客満足が高いと安心して良いか
☆対症療法から構造的課題対応へ
地域中小企業、非営利的組織においては、売上が減少したときどう対応して売上アップを図るか。きめ細かい販売促進を行うとか、売り上げが落ち込んでいる製品、サービスについて重点的にPR をするとかが行われます。
利益が減少しているときは、仕入の見直し、製造にかかる工程・過程の見直しなどが行われます。製造過程にかかる改善にむけてのQC活動も行われます。
地域中小企業、非営利的組織の発展のために、現状の課題、問題に対してどう対処するかという視点で行われます。
これらは、即時的対応であり、対症療法です。
地域中小企業、非営利的組織の外発的要因による発展とは、例えば、次のようなものがあげられる。
・好調な旅行需要の増大に対応して旅行関連業界が好調(旅行代理店、バス会社、観光地の飲食店、)
・売れ行き好調なメーカーの下請けとして部品を納入(自動車部品、スマホの部品、ガラケー全盛時代のプラスチック業界)
・競合がいない地域で経営を行い順調に売上が好調
・インスタ映えすると評判になって売り上げが好調(飲食店、菓子店)
地域中小企業、非営利的組織の外発的要因による窮境としては、
・コロナ禍によって旅行しなくなる
・競合メーカーの飛躍的発展によって取引先メーカーの売り上げが急減
・強力な競合が事業を開始
・他社からインスタ映えする商品が多く出てきた
等があげられる。消費者・生活者ニーズの変化、競合の出現、競合の新商品の開発などによる売上減少です。
また、競合の生産性向上に伴う製品原価率の低減圧力、デジタル化の進展による技術革新への対応などによる利益率の低下も発生してきます。外部的要因つまり外発性の要因・経営環境の変化への対応が求められます。
経営環境においては、外発的な変化は常にあるものであり、それらに対して企業は常に対応していかなければなりません。売上が好調なときに油断をして、前例踏襲的な経営を漫然と継続していると、厳しい経営環境になったときに経営そのものが大変厳しい状況になり、場合によっては倒産・廃業に追い込まれる可能性が出てくることになります。
外部環境が良いとき悪いときにかかわらず地域中小企業、非営利的組織としては、基礎的力をつけておくことが求められます。外発的要因の変化に対応できる力です。それが内発的発展力です。
☆内発的発展力の育成・強化
地域中小企業、非営利的組織の経営活動に際しては、売上の減少、お客様からの苦情、生産性の低下、従業員間の意見の相違など様々な課題が発生します。これらの課題への一時的(即時的)対応を行うこととなります。それに加えて構造的課題への対応、根治療法的対応を行うことが重要です。その際の基本理念は何かです。
「企業・組織の経営の基本理念は何か」です。
地域中小企業、地域非営利組織が持続的な発展を図るためには、外発性の要因・経営環境の変化への対応力、外発的な課題に対応できる力を持つことが肝要です。それはつまり、外発的な環境変化等に対応できる力、つまり内発的発展力が必要です。
地域中小企業、地域非営利組織は内発的発展力を高めるという視点で経営を進めるということです。それは、知恵・ノウハウを育成・発展させ、活かして成果が出るよう経営していくことです。
地域中小企業、非営利的組織においては、内発的発展力(基礎的活力)の向上が基本であり、内発的発展力(基礎的活力)に基づく一時的対応及び根治的対応の実施が持続的発展に繋がるのです。
内発的発展力の基礎は、企業・組織の知恵・ノウハウによる組織の活力です。知恵・ノウハウを育成・発展させ、活かして成果が出るように活動する力です。
それは、知恵・ノウハウが発展し、それらが組織内を活性化し、イキイキと活力を生み出して、成果を上げていくこと=持続的発展をしていくことです。
☆内発的発展力による活力
企業・組織における内発的発展力とは、外発的環境要因の変化に適切に対応していく力、持続的発展をしていく力です。地域中小企業、非営利的組織の知恵・ノウハウを育成・発展させ、活かして成果が出るように経営することによって得られるものであり、高めていくものであると私は考えています。
この内発的発展力を高めるためには、
・人財が持つ知恵・ノウハウ
・マーケティングにかかる知恵・ノウハウ
・プロセス・仕組みに内在する知恵・ノウハウ
・財務的な状況の把握・活用にかかる知恵・ノウハウ
・革新・開発にかかる知恵・ノウハウ
を育成・発展させ、成果が出るようにする力です。
地域中小企業、非営利的組織におけるこれらの知恵・ノウハウを育成発展させる経営活動を継続することによって、企業・組織は発展していく。これらの知恵・ノウハウを育成・発展させるためには、
・意欲(知恵・ノウハウを前例踏襲に寄らず、確実に効果あるものとして成果を出していくという強い意志に基づいて実行する。経営意欲を持って経営する。)
・意識(知恵・ノウハウによって成果を出すためにどのようにすれ良いかという点で細心の注意をもって進める。常に成果を出すことを意識する。経営意識を持って経営する。)
・習慣(知恵・ノウハウを育成発展させ、成果を出していくための経営活動、経営の仕組みなどを長い間繰り返し行い、そうするのがきまりのようにしていく。経営習慣化する。)
この三つが大変重要です。意欲をもって、意識し、習慣化していくことによって組織が活性化されていき、活力に繋がっていくものです。
地域中小企業、非営利的組織の経営においては、経営のトップ層は、これらの考えに基づいて、常に点検し、月次の経営会議等において、企業・組織の知恵・ノウハウが活性化しているか、継続的に発展しているか、上手く機能して成果を出しているかについて、細心の注意、目配りをして、経営を推進していくことが大変重要です。
※参考文献:海野進『経営課題の解決に向けたフレームワーク活用-地域中小企業、非営利的組織の持続的発展のヒント』三恵社
いま地域中小企業、非営利事業者に求められているのは、生産性の向上です。
生産性は一般的には「従業員一人当たりの付加価値」です。付加価値額(営業利益+人件費+租税公課+動産・不動産賃借料)÷従業員数です。
つまり、生産性向上のためにすべきことは、付加価値の向上を目指すことです。
付加価値向上のためには、売上高が増える、利益が多く出る、ということです。そのために何をするかです。
従来型の製造業的発想では、経費削減です。しかし、コストカットが主体では将来性がありません。
サービス業的発想では、魅力的なサービスの提供がポイントです。顧客価値を高めることを主眼において、活動することによって、従業者一人当たり売上高、従業者一人当たり付加価値額(利益額)が上昇していくことになります。生産性の向上です。
付加価値を向上する・生産性向上には、イノベーションが大変重要です。
イノベーションとは、革新的なモノ・コト・仕組みなどによって新たな価値を創造することです。シュンペーターは5つのイノベーションを提唱しています。
➢プロダクト・イノベーション(新しい生産物・サービスの創出)
➢プロセス・イノベーション(新しい生産方法の導入)
➢マーケット・イノベーション(新しい市場の開拓)
➢サプライチェーン・イノベーション(新しい資源の獲得)
➢組織・イノベーション(新しい組織の実現)
地域中小企業や小規模事業所、非営利的事業所では、これら大げさなものではなくても、スモール・イノベーションの実施です。小さくてもよいから新たな価値を創造することです。例えば、新製品を開発する、新しいサービスを提供する、新しい技術・機械の導入、などです。
例
➢プロダクト・イノベーション(新しい生産物・サービスの創出)
今までにない商品やサービスの提供です。
・能作(富山県高岡市)の錫100%を使った曲がるテーブルウエア
➢プロセス・イノベーション(新しい生産方法の導入)
新商品企画開発・資源調達・製造・サービス提供・マーケティングまでの一貫を若手チームに任せ、若い感性に刺さる感動サービス提供を行う。
・組子のタニハタ(富山県富山市)のデザイン提案の力、小売ノウハウ、時間内で量をこなすノウハウというトータルの生産システム=武器を向上させていく力
➢マーケット・イノベーション(新しい市場の開拓)
新たな分野での市場開拓。
・有限会社 モメンタムファクトリー・Orii(富山県高岡市)の仏具の製造に関して培った伝統的着色技法を応用して新たな独特の色彩を浮かび上がらせる着色技術に基づくインテリア用品、アクセサリーなどの小物類から大型建材まで様々な商品を製造・販売
➢サプライチェーン・イノベーション(新しい資源の獲得)
新たな資源を活用して経営活動を行う。
・地域特産物を活用した特産品づくり
➢組織・イノベーション(新しい組織の実現)
従来と異なる組織・仕組みによる事業運営。
・〇〇の新製品開発・販売・独立採算を若手グループに任せる
以上のような形で、スモール・イノベーションに取り組み、新たな価値の創造を目指します。ともかく新しいことにチャレンジすることを継続することです。
それはつまり、現在の仕組みを変えていくことです。
自社の対象と想定している顧客の購買スタイルの仕組みを変える(新商品開発)、生産プロセスの仕組みを変える(新しい生産方法の導入)、売れている市場の仕組みの変革に挑戦する(新しい市場の開拓)、資源市場・仕入市場の仕組み変革への挑戦(新しい資源の獲得)、既存の組織・管理体制の仕組みを変える(新しい組織の実現)ということです。
これらの経営にかかる仕組みを変えることが、新たな価値を創造につながり、生産性の向上に繋がります。
仕組みを変えることに挑戦すること(スモール・イノベーションへの挑戦)、これを継続していくことを続けましょう。
スモール・イノベーションへの挑戦、これを継続的に実行
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事業運営で、売上高の低迷、利益の減少などの課題が発生した場合は、現在機能している仕組みの現状とその仕組みに課題がないかを検討することが必要です。
(なお、「仕組み」とは、定例的に行われることに関するマニュアル、実施要領など文字で示されるものです。月次の業績検討・次月経営方針との検討会議などの業務、定期的な人事評価・人事異動など定例的に行われるものもあります。つまり、事業体が定例的に行う業務とそれに伴う相互作用です。)
1.事業所においてまず大事なのは、事業運営が円滑に行われるための仕組みです。
大きなものとしては、次のようなものが考えられます。
例.製品・サービス購入者の生の声、お得意様のリピート率の現状・推移、競合の評価などが、週1回の現場ミーティングで報告・意見交換されそれに基づいて対応策が実施されることです。
例.製品別従業員別機械別収益・原価構造の把握、製品別費用・利益等の構造、販売先別利益原価構造、作業員別経費・生産量の状況からみた課題の把握と対応。
例.生産性の把握及び生産性の低下についてチーム単位でフォローする仕組み、チームによる生産性向上の改善活動の現状と課題。
このような事業活動の円滑な継続に向けて事業活動のなかで発生する課題を把握し解決活動していくという仕組みが事業所内にあるか(ビルトインされているか)です。そのため、組織内を点検してみましょう。
2.このような基本的な仕組みにプラスして大事なのは、事業所の発展向けた仕組み・仕掛けがあるか、機能しているかが、大変重要です。
それは、顧客価値提供を継続していく仕組み・仕掛け(製品・サービスについての定期的な本格顧客価値アンケートの実施・検討など)、人材育成の仕組み・仕掛け(資格等に基づく体系的教育訓練制度など)、新しいことに取り組んでいく仕組み・仕掛け(定期的な新製品・サービスの開発・販売のチャレンジなど)です。人を活かす仕組み・仕掛け(個別面談による目標設定・評価制度など)、組織の工夫・ノウハウを高める仕組み・仕掛け(改善提案に対する社長からの表彰制度、おざなりでない小集団活動、課題解決に取り組む活発なプロジェクトチーム活動など)があるかです。重要なのはそれが十分に機能しているかです。
組織に内在する顧客の視点、人材の視点、革新と開発の視点、プロセスの視点(スカンディアナビゲータ―の視点)の知的資産(知恵、工夫、ノウハウ)を発展させる仕組み・仕掛けがあるか、機能しているかです。
経営者は、これについて、原点に返って、必要に応じて外部の意見も聞きながら、点検し、不十分であれば、これらに関する仕組み・仕掛けを機能させるようまた発展させるように取り組むこと、それが経営者の仕事です。
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企業経営・事業運営で利益が出ない。様々な経営改善に取り組んでいるが成果が上がらない。どうすればいいか。
(利益を出す事業体質となるための経営習慣は?)
基本的なアプローチとしては、2つ考えられます。
アプローチ 1 =「経営課題(売上高低迷)の原因・要因を探る」
要因・仮説を立てる-それをデータ等で検証分析します。。
顧客満足度、顧客価値の提供に関してであれば、不足していると思うこと、生産性が悪い事柄について、ブレーンストーミング(小集団活動)などを行い原因・要因を把握し、改善策を講じるということです。
アプローチ 2 = 「経営活動ごとに内容の点検、分析」
活動・業務内容(バリューチェーンの視点、知的資産等の視点、進行管理活動の視点、など)ごとに、活動状況(内容・量、活力 )、効率性、生産性、収益性等を分析検討して、経営課題を把握して、改善を図るというアプローチです。
これらのアプローチを進めるにあたってのポイントは、
バリューチェーン分析の要素ごとの分析・点検
構造を把握
データ・指標による業績管理、進捗管理
です。
➢バリューチェーン分析の要素ごとに分析・点検する
バリューチェーンの要素ごとに。(原材料仕入・外注、加工、配送・流通、マーケティング・販売、サービス及び、企業インフラ(財務管理、総務)、人的資源管理、技術開発、資材調達。)
それはまた、知的資産経営の視点ともつながります。
例えば、サービスの提供で顧客満足度が低ければ、サービス提供従業員がただ単に仕事をこなしているだけであるため顧客が良いとは思っていないことが分かります。また、それは従業員教育が十分でないことの表れです。
➢構造を把握する
2軸グラフの活用、相関分析の多用、図解化は必須。
仮説分析・検証を多用し、構造を把握するようにすることにより、経営感覚(マネジメント・ケイパビリティ。こうすれば売り上げが増える、利益が出るなど。)を発展させます。PPM分析、利益構造分析、年計推移表、相関分析、など
➢データ・指標による業績管理、進捗管理する
経営指標(活動指標、成果指標)の計画と実績。これらについて、経営指標・データの検討・分析・評価を行います。。
時系列推移、類似・同業事業所との比較分析・評価がポイントです。
以上について、つまりは「課題解決に継続的に取り組む」ことを経営習慣化するということです。
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地域の中小企業・事業所からの経営の相談においては、
・分析が十分ではない
・経営課題の把握が不十分(本質を充分に捉えていない)
などがみられることが多いです。
そのため、地域企業・事業所の経営改善においては
・対応が不十分になってしまう
・長期的な課題解決の視点が弱い対応
などになりがちです。
これらを解決するためには、
・定量データ(実績等の数値)と定性データ(顧客・納入先などへのヒアリングなど)の収集と分析の実施です。
・データに基づいて、3C分析、SWOT分析、ABC分析、原価のポートフォリオ分析などのフレームワークを活用します。
・データが不十分な場合は、過去の売上げ日報、生産(作業)日報の記録から、客数、客単価、品目別生産数量、の把握を行います。
また、過去のデータ収集が不十分な場合は、これからの1か月間、生産量(品目別、従業者別など)、生産にかかる経費(品目別、従業者別など)、売上高・数量(品目別、顧客特性別など)必要なデータの収集を行います。
これらデータの収集、経営課題の把握を、経営習慣化していき、定期的に実施ていきます。
これらにかかる不断の経営努力が成果に繋がっていきます。
発展している企業の社長さんの話を聞くて、常にいろいろなことを考えて、いろいろなことに取り組み、チャレンジしておられます。
毎年自社の製品にかかる技術改善・新技術の開発を「発明とくふう展」に出展されている社長さん、従業員を「QCサークル発表会」で定期的に発表させている社長さんなど頑張っておられます。
各企業、事業所においても、不断の経営活動をしましょう。
(C)uminossmアットマークnifty.com
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地域で頑張っておられる中小企業では、売上が低迷し、利益を充分に確保できない状況にあります。これは何故なのでしょうか。地域のNPO、社会福祉法人、農業事象者など非営利的な事業所(組織)においても、十分な売上高が得られないなどで苦労しておられるのではないでしょうか。
経営苦境にある企業等がその苦境から脱出していくためには、発展の基盤となる力が重要です。利益を生み出し、企業が発展していくための力です。
その力とは、経営力であり、スキル・ノウハウであり、人材の力であり、組織の活力などです。そしてこれらは、経営習慣化されているものです。
これらの力は、
経営発展のための核的な力
(マネジメント・ケイパビリティ)
ともいうべきものです。
この力が地域の中小企業、非営利的な事業所(組織)において不十分なところが多いというの現状です。そのためそれぞれの企業等において経営努力が必要です。
この核的な力、発展のための力を持っているか、持っていなければその力を創造発展させていくことが重要です。
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ライザップにかかる経営デザインは、痩せて健康になりたい、スマートになり自分に自信を持ちたいという人たちに対して、痩せるためのエクササイズや食生活指導を強力に行い、成果を出すことにより顧客に支持されているのである。
顧客にとっては、ライザップのマンツーマン・プライベートジムのシステムにより、痩せて健康になる、スマートになり自分に自信を持つことができるという顧客価値を受領することになる。
このような顧客価値を顧客に受領してもらうために、確実に痩せてもらうために、トレーナーは個別指導を二人三脚により行う。その際やる気の維持、アップをはかる必要があり、そのための声かけ、コミュニケーションが大事となる。
これらが顧客に向けた外向きの戦略的活動である。
これらのトレーナーの活動を支えるために、企業として行われているのは、トレーナーの研修である。(もちろんその前にトレーナーという人材の確保が大事である)
研修の内容としては、コミュニケーション能力、食事管理に関する知識・ノウハウ、トレーニング方法についての知識・ノウハウなどである。またさらに、多くの会員にかかるビッグデータに基づいて、シミュレーションに基づく個別指導、説得などが行われ、トレーナーに提供される。
これらトレーナーへのノウハウの蓄積・提供、研修などは、内向きの戦略的活動である。
ライザップの例で説明してきたように、各企業の経営においては、顧客向けの-外向きの戦略的活動によって顧客価値を提供すること、また顧客価値を提供するためのノウハウの蓄積・提供など、外向きの戦略的活動を支える内向きの戦略的活動があるのである。これら二つの戦略的活動がうまく機能することによって、企業が発展していくのである。
中小企業の経営に当たっても、顧客に価値を提供するという活動(魅力的な商品・サービスの提供)と価値提供を支える人材や業務プロセスの視点での活動が十分機能していくとともに、両者の活動が連携をとっていくことが大事である。
そのため、売上高が低迷している、利益が出ないという中小企業にあっては、これらの活動が十分機能しているか、そのための経営資源・要素の相互作用や関係性が十分か、顧客価値の提供が十分かということについて、見直しをし、再度「経営デザイン」してみることが必要ではないだろうか。