生産性の向上は、コストカットではなく、小さくてもいいから新たな価値を作り出すことによって実現する
いま地域中小企業、非営利事業者に求められているのは、生産性の向上です。
生産性は一般的には「従業員一人当たりの付加価値」です。付加価値額(営業利益+人件費+租税公課+動産・不動産賃借料)÷従業員数です。
つまり、生産性向上のためにすべきことは、付加価値の向上を目指すことです。
付加価値向上のためには、売上高が増える、利益が多く出る、ということです。そのために何をするかです。
従来型の製造業的発想では、経費削減です。しかし、コストカットが主体では将来性がありません。
サービス業的発想では、魅力的なサービスの提供がポイントです。顧客価値を高めることを主眼において、活動することによって、従業者一人当たり売上高、従業者一人当たり付加価値額(利益額)が上昇していくことになります。生産性の向上です。
付加価値を向上する・生産性向上には、イノベーションが大変重要です。
イノベーションとは、革新的なモノ・コト・仕組みなどによって新たな価値を創造することです。シュンペーターは5つのイノベーションを提唱しています。
➢プロダクト・イノベーション(新しい生産物・サービスの創出)
➢プロセス・イノベーション(新しい生産方法の導入)
➢マーケット・イノベーション(新しい市場の開拓)
➢サプライチェーン・イノベーション(新しい資源の獲得)
➢組織・イノベーション(新しい組織の実現)
地域中小企業や小規模事業所、非営利的事業所では、これら大げさなものではなくても、スモール・イノベーションの実施です。小さくてもよいから新たな価値を創造することです。例えば、新製品を開発する、新しいサービスを提供する、新しい技術・機械の導入、などです。
例
➢プロダクト・イノベーション(新しい生産物・サービスの創出)
今までにない商品やサービスの提供です。
・能作(富山県高岡市)の錫100%を使った曲がるテーブルウエア
➢プロセス・イノベーション(新しい生産方法の導入)
新商品企画開発・資源調達・製造・サービス提供・マーケティングまでの一貫を若手チームに任せ、若い感性に刺さる感動サービス提供を行う。
・組子のタニハタ(富山県富山市)のデザイン提案の力、小売ノウハウ、時間内で量をこなすノウハウというトータルの生産システム=武器を向上させていく力
➢マーケット・イノベーション(新しい市場の開拓)
新たな分野での市場開拓。
・有限会社 モメンタムファクトリー・Orii(富山県高岡市)の仏具の製造に関して培った伝統的着色技法を応用して新たな独特の色彩を浮かび上がらせる着色技術に基づくインテリア用品、アクセサリーなどの小物類から大型建材まで様々な商品を製造・販売
➢サプライチェーン・イノベーション(新しい資源の獲得)
新たな資源を活用して経営活動を行う。
・地域特産物を活用した特産品づくり
➢組織・イノベーション(新しい組織の実現)
従来と異なる組織・仕組みによる事業運営。
・〇〇の新製品開発・販売・独立採算を若手グループに任せる
以上のような形で、スモール・イノベーションに取り組み、新たな価値の創造を目指します。ともかく新しいことにチャレンジすることを継続することです。
それはつまり、現在の仕組みを変えていくことです。
自社の対象と想定している顧客の購買スタイルの仕組みを変える(新商品開発)、生産プロセスの仕組みを変える(新しい生産方法の導入)、売れている市場の仕組みの変革に挑戦する(新しい市場の開拓)、資源市場・仕入市場の仕組み変革への挑戦(新しい資源の獲得)、既存の組織・管理体制の仕組みを変える(新しい組織の実現)ということです。
これらの経営にかかる仕組みを変えることが、新たな価値を創造につながり、生産性の向上に繋がります。
仕組みを変えることに挑戦すること(スモール・イノベーションへの挑戦)、これを継続していくことを続けましょう。
スモール・イノベーションへの挑戦、これを継続的に実行
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