2016/05/21

「地域経営学」の重要性と知的資産の活用


これからの地域の発展には「地域経営学」が重要になってきます。その観点から、日本学術会議においては、「経営学委員会 地域経営学の研究・教育のあり方検討分科会」が設置をされ、地域経営学について検討がされているようです。

つまり、地域創生時代の地域価値の創造・向上を目的とする新たな経営学の研究・教育分野としての「地域経営学」の意義・役割・体系、研究領域の明確化と同時に、地域創生にむけての人財育成のための教育課程と教育方法のあり方について提言を行うことにする、というものです。
http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/bunya/keiei/index.html


このような地域の発展を目指す学である「地域経営学」においては、地域の知的資産、企業の知的資産、NPOの知的資産などを活かしていくことが大事です。つまり、地域全体、企業、NPO、社会福祉法人、地域スポーツ団体など地域のさまざまな団体、組織などにおいて、その団体・組織等の知的資産・知恵を活かした経営=知的資産経営を進めていくことによって、地域が発展していきます。
また、経営学における様々な知見(マネジメント、マーケティングなど)も有効に活用したいです。

それらについては、いままでもいろいろな機会に(著書、雑誌への寄稿、当ブログでの記事など)、発表したりしてきました。今後も、地域経営学の視点での、地域の内発的な発展のための支援・サポートをしていきたいと思います。

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2016/05/10

知を活かした経営

知的資産とは、「人材、技術、技能、組織力、経営理念、顧客とのネットワークなど、財務諸表には表れてこない目に見えにくい経営資源の総称」です。それは知恵であり、工夫であり、組織としての対応力です。(経済産業省HPなど参照)

この知的資産が、企業の価値を生み出しており、企業の競争力の源泉です。
この知的資産(人的資産、構造資産、関係資産)を洗い出し、それを自覚して、この知的資産を活用して、より以上に発展していこうというのが、知的資産経営です。

例えば、先日、岐阜県で美味しい鰻屋さんに行きました。そこで感じたのは、この鰻屋さんの知的資産です。鰻屋さんの知的資産としては、鰻を美味しく調理する腕、美味しいタレを作る技術、良質な鰻を仕入れるための老舗川魚問屋との長年の取引関係、美味しい鰻屋としての評判(ブランド)、などがあります。

その他、モノづくり企業においても、微細・微小・超精密加工技術を持った企業、商品企画力が高いファブレス企業、などがあげられます。この場合、微細・微小・超精密加工技術や高い商品企画力・優秀なモノづくり企業とのネットワークが、それぞれの企業の知的資産になります。

これからの企業経営においては、自らの知的資産を洗い出し、それをより一層強化するとともに、新たな知的資産の育成・発展にも努めていくことが、さらなる発展に繋がります。

地域活性化や地域の経営・発展においても、地域の知的資産(知恵、工夫、文化、風土などの知的で特長的な資産)を洗い出し、その知的資産を有効活用して、地域の内発的な発展に向けて活動していくことが肝要です。ただ漫然と地域の経営活動をしているだけでは真の発展は望めません。


   知的資産経営認定士・中小企業診断士
          海野 進

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2016/03/24

地域組織における経営資源7Sの活用による地域活性化

 地域の活性化図るための地域経営においては、地域における重要な役割を果たす経営主体が成果を上げていくよう支援することが大事です。
 現在のようにモータリゼーションが進展し、人々が様々にクルマを利用して旅行する今日においては、多くの人が地域の特産物等を求める際には、道の駅を訪れます。その意味において、地域産品の販売を行う道の駅が、地域の顔であり、地域の特産品の販売拠点であることから、地域の発展において大きなウエイトを占めています。
 そのような道の駅についてのレポート等の事例を参考に、マッキンゼーの7Sというフレームワークを活用して活性化方策について考えてみたいと思います。
 マッキンゼーの7Sは、企業における経営資源7Sの効果的な連携により発展を目指すもので、この7Sに基づいて組織の発展を図っていくことは大変に効果的であると考えられます。
 マッキンゼーの7Sは、ソフトの4Sとハードの3Sに分かれます。ソフトの4Sは、Shared value (共通の価値観・理念)、Style(経営スタイル・社風、風土)、Staff(人材)、Skill(スキル・能力、ノウハウ)です。ハードの3Sは、Strategy(戦略)、Structure(組織構造)、System(システム・制度、仕組み)です。7Sは、どれか1つを強力に推し進めることによって成功するというものではなく、これらの重要な要素が適切な関係性を保ってすすめられることが重要です。

<道の駅の現状(例)>
 ある道の駅については、現状の延長のような計画による経営、ありきたりの商品が多い、小集団による改善活動が行われていない、駅長(責任者)が常駐していない、担当者が休むとパンの製造が中止となる、店員が高齢化している、各部門別の人員体制及び能力別人員数が十分でない、販売員の来客対応に問題がある、全体として魅力がない、従業員一人当たり売上高が平均を下回っている、という状況でした。(あるレポート等による)

<7Sの視点から道の駅の活性化策の検討>
 上記のような道の駅について、7Sの視点から考えてみたいと思います。
 やり方としては、7S毎の「現状と課題」を整理します。そのうえで「現状と課題」に対応した「改善・向上策」をたて「具体的なアクション」を起こしていくことを考えてみます。
 そして具体的なアクションを実行していく中で、適宜それぞれの指標(活動指標、成果指標)を把握し、成果が十分上がっているかを確認しながら取り組んでいくことが重要です。
 これらを整理してみると次の表のようにまとめることができます。

表「7Sの視点からの「道の駅」の活性化策」 をダウンロード


 ともかく、経営資源にかかる7Sの連関性を図りながら、具体的なアクションを遂行していくことがポイントとなります。そのため、地域経営においては、今回の例のような道の駅の場合においては、マネージャー(責任者)の意識改革のための研修参加、中小企業診断士等のアドバイス・指導を仰ぐなどのサポートをし、全面的な経営革新・経営改善が行われ成果の上がる経営活動が推進されるように取り組むことが肝要です。


参考文献
海野進『人口減少時代の地域経営-みんなで進める「地域の経営学」実践講座』(同友館、2014年3月) 第18講
海野進「「地域の経営学」の実践-幕末の小藩における地域の経営活動」(月刊『企業診断』、同友館、2014年6月号)

Copyright 海野 進 2016


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