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    地域中小企業、小規模事業所、非営利的組織などの経営について、ヒントや経営のための視点などについて。
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    経営をデザインすることについて、取り組んでいくことが大事です。 企業のこれからをデザインするということですね。
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2022年8月31日 (水)

生産性の向上は、コストカットではなく、小さくてもいいから新たな価値を作り出すことによって実現する

 

いま地域中小企業、非営利事業者に求められているのは、生産性の向上です。

生産性は一般的には「従業員一人当たりの付加価値」です。付加価値額(営業利益+人件費+租税公課+動産・不動産賃借料)÷従業員数です。

 

つまり、生産性向上のためにすべきことは、付加価値の向上を目指すことです。

付加価値向上のためには、売上高が増える、利益が多く出る、ということです。そのために何をするかです。

従来型の製造業的発想では、経費削減です。しかし、コストカットが主体では将来性がありません。

サービス業的発想では、魅力的なサービスの提供がポイントです。顧客価値を高めることを主眼において、活動することによって、従業者一人当たり売上高、従業者一人当たり付加価値額(利益額)が上昇していくことになります。生産性の向上です。

 

 

付加価値を向上する・生産性向上には、イノベーションが大変重要です。

 

イノベーションとは、革新的なモノ・コト・仕組みなどによって新たな価値を創造することです。シュンペーターは5つのイノベーションを提唱しています。

 ➢プロダクト・イノベーション(新しい生産物・サービスの創出)

 ➢プロセス・イノベーション(新しい生産方法の導入)

 ➢マーケット・イノベーション(新しい市場の開拓)

 ➢サプライチェーン・イノベーション(新しい資源の獲得)

 ➢組織・イノベーション(新しい組織の実現)

 

地域中小企業や小規模事業所、非営利的事業所では、これら大げさなものではなくても、スモール・イノベーションの実施です。小さくてもよいから新たな価値を創造することです。例えば、新製品を開発する、新しいサービスを提供する、新しい技術・機械の導入、などです。

 

➢プロダクト・イノベーション(新しい生産物・サービスの創出)

  今までにない商品やサービスの提供です。

  ・能作(富山県高岡市)の錫100%を使った曲がるテーブルウエア

 

➢プロセス・イノベーション(新しい生産方法の導入)

   新商品企画開発・資源調達・製造・サービス提供・マーケティングまでの一貫を若手チームに任せ、若い感性に刺さる感動サービス提供を行う。

  ・組子のタニハタ(富山県富山市)のデザイン提案の力、小売ノウハウ、時間内で量をこなすノウハウというトータルの生産システム=武器を向上させていく力

 

 ➢マーケット・イノベーション(新しい市場の開拓)

   新たな分野での市場開拓。

  ・有限会社 モメンタムファクトリー・Orii(富山県高岡市)の仏具の製造に関して培った伝統的着色技法を応用して新たな独特の色彩を浮かび上がらせる着色技術に基づくインテリア用品、アクセサリーなどの小物類から大型建材まで様々な商品を製造・販売

 ➢サプライチェーン・イノベーション(新しい資源の獲得)

   新たな資源を活用して経営活動を行う。

  ・地域特産物を活用した特産品づくり

 

 ➢組織・イノベーション(新しい組織の実現)

   従来と異なる組織・仕組みによる事業運営。

  ・〇〇の新製品開発・販売・独立採算を若手グループに任せる

 

 

 以上のような形で、スモール・イノベーションに取り組み、新たな価値の創造を目指します。ともかく新しいことにチャレンジすることを継続することです。

 それはつまり、現在の仕組みを変えていくことです。

 自社の対象と想定している顧客の購買スタイルの仕組みを変える(新商品開発)、生産プロセスの仕組みを変える(新しい生産方法の導入)、売れている市場の仕組みの変革に挑戦する(新しい市場の開拓)、資源市場・仕入市場の仕組み変革への挑戦(新しい資源の獲得)、既存の組織・管理体制の仕組みを変える(新しい組織の実現)ということです。

 

 これらの経営にかかる仕組みを変えることが、新たな価値を創造につながり、生産性の向上に繋がります。

 仕組みを変えることに挑戦すること(スモール・イノベーションへの挑戦)、これを継続していくことを続けましょう。

 

 スモール・イノベーションへの挑戦、これを継続的に実行

 

 

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2022年7月27日 (水)

経営とは、仕組み・仕掛けを機能させて成果を出していくこと

 

事業運営で、売上高の低迷、利益の減少などの課題が発生した場合は、現在機能している仕組みの現状とその仕組みに課題がないかを検討することが必要です。

 

(なお、「仕組み」とは、定例的に行われることに関するマニュアル、実施要領など文字で示されるものです。月次の業績検討・次月経営方針との検討会議などの業務、定期的な人事評価・人事異動など定例的に行われるものもあります。つまり、事業体が定例的に行う業務とそれに伴う相互作用です。)

 

 

1.事業所においてまず大事なのは、事業運営が円滑に行われるための仕組みです。

大きなものとしては、次のようなものが考えられます。

  • 自社の製品・サービスの顧客満足・価値の現状と課題の把握及び課題解決に向けた活動の実施の仕組みです。

    例.製品・サービス購入者の生の声、お得意様のリピート率の現状・推移、競合の評価などが、週1回の現場ミーティングで報告・意見交換されそれに基づいて対応策が実施されることです。

  • 利益構造と生産性等の現状と課題の把握及び課題解決に向けた活動の実施の仕組みです。

    例.製品別従業員別機械別収益・原価構造の把握、製品別費用・利益等の構造、販売先別利益原価構造、作業員別経費・生産量の状況からみた課題の把握と対応。

    例.生産性の把握及び生産性の低下についてチーム単位でフォローする仕組み、チームによる生産性向上の改善活動の現状と課題。

 

このような事業活動の円滑な継続に向けて事業活動のなかで発生する課題を把握し解決活動していくという仕組みが事業所内にあるか(ビルトインされているか)です。そのため、組織内を点検してみましょう。

 

 

2.このような基本的な仕組みにプラスして大事なのは、事業所の発展向けた仕組み・仕掛けがあるか、機能しているかが、大変重要です。

それは、顧客価値提供を継続していく仕組み・仕掛け(製品・サービスについての定期的な本格顧客価値アンケートの実施・検討など)、人材育成の仕組み・仕掛け(資格等に基づく体系的教育訓練制度など)、新しいことに取り組んでいく仕組み・仕掛け(定期的な新製品・サービスの開発・販売のチャレンジなど)です。人を活かす仕組み・仕掛け(個別面談による目標設定・評価制度など)、組織の工夫・ノウハウを高める仕組み・仕掛け(改善提案に対する社長からの表彰制度、おざなりでない小集団活動、課題解決に取り組む活発なプロジェクトチーム活動など)があるかです。重要なのはそれが十分に機能しているかです。

 

組織に内在する顧客の視点、人材の視点、革新と開発の視点、プロセスの視点(スカンディアナビゲータ―の視点)の知的資産(知恵、工夫、ノウハウ)を発展させる仕組み・仕掛けがあるか、機能しているかです。

 

経営者は、これについて、原点に返って、必要に応じて外部の意見も聞きながら、点検し、不十分であれば、これらに関する仕組み・仕掛けを機能させるようまた発展させるように取り組むこと、それが経営者の仕事です。

 

 

 

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2022年5月28日 (土)

利益を出す事業体質となるための経営習慣は?


企業経営・事業運営で利益が出ない。様々な経営改善に取り組んでいるが成果が上がらない。どうすればいいか。
(利益を出す事業体質となるための経営習慣は?)


基本的なアプローチとしては、2つ考えられます。


アプローチ 1 =「経営課題(売上高低迷)の原因・要因を探る」

要因・仮説を立てる-それをデータ等で検証分析します。。
顧客満足度、顧客価値の提供に関してであれば、不足していると思うこと、生産性が悪い事柄について、ブレーンストーミング(小集団活動)などを行い原因・要因を把握し、改善策を講じるということです。


アプローチ 2 = 「経営活動ごとに内容の点検、分析」

活動・業務内容(バリューチェーンの視点、知的資産等の視点、進行管理活動の視点、など)ごとに、活動状況(内容・量、活力 )、効率性、生産性、収益性等を分析検討して、経営課題を把握して、改善を図るというアプローチです。

 

これらのアプローチを進めるにあたってのポイントは、
 バリューチェーン分析の要素ごとの分析・点検
 構造を把握
 データ・指標による業績管理、進捗管理
です。


➢バリューチェーン分析の要素ごとに分析・点検する
バリューチェーンの要素ごとに。(原材料仕入・外注、加工、配送・流通、マーケティング・販売、サービス及び、企業インフラ(財務管理、総務)、人的資源管理、技術開発、資材調達。)
それはまた、知的資産経営の視点ともつながります。
例えば、サービスの提供で顧客満足度が低ければ、サービス提供従業員がただ単に仕事をこなしているだけであるため顧客が良いとは思っていないことが分かります。また、それは従業員教育が十分でないことの表れです。

➢構造を把握する
2軸グラフの活用、相関分析の多用、図解化は必須。
仮説分析・検証を多用し、構造を把握するようにすることにより、経営感覚(マネジメント・ケイパビリティ。こうすれば売り上げが増える、利益が出るなど。)を発展させます。PPM分析、利益構造分析、年計推移表、相関分析、など

➢データ・指標による業績管理、進捗管理する
経営指標(活動指標、成果指標)の計画と実績。これらについて、経営指標・データの検討・分析・評価を行います。。
時系列推移、類似・同業事業所との比較分析・評価がポイントです。

以上について、つまりは「課題解決に継続的に取り組む」ことを経営習慣化するということです。


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2022年2月21日 (月)

経営課題の把握には、フレームワーク活用などの経営習慣で対応

地域の中小企業・事業所からの経営の相談においては、
 ・分析が十分ではない
 ・経営課題の把握が不十分(本質を充分に捉えていない)
などがみられることが多いです。


そのため、地域企業・事業所の経営改善においては

・対応が不十分になってしまう
・長期的な課題解決の視点が弱い対応

などになりがちです。

 


これらを解決するためには、

・定量データ(実績等の数値)と定性データ(顧客・納入先などへのヒアリングなど)の収集と分析の実施です。
・データに基づいて、3C分析、SWOT分析、ABC分析、原価のポートフォリオ分析などのフレームワークを活用します。
・データが不十分な場合は、過去の売上げ日報、生産(作業)日報の記録から、客数、客単価、品目別生産数量、の把握を行います。
  また、過去のデータ収集が不十分な場合は、これからの1か月間、生産量(品目別、従業者別など)、生産にかかる経費(品目別、従業者別など)、売上高・数量(品目別、顧客特性別など)必要なデータの収集を行います。

これらデータの収集、経営課題の把握を、経営習慣化していき、定期的に実施ていきます。

これらにかかる不断の経営努力が成果に繋がっていきます。

 

発展している企業の社長さんの話を聞くて、常にいろいろなことを考えて、いろいろなことに取り組み、チャレンジしておられます。
毎年自社の製品にかかる技術改善・新技術の開発を「発明とくふう展」に出展されている社長さん、従業員を「QCサークル発表会」で定期的に発表させている社長さんなど頑張っておられます。

各企業、事業所においても、不断の経営活動をしましょう。


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2022年2月18日 (金)

マネジメント・ケイパビリティはあるか

地域で頑張っておられる中小企業では、売上が低迷し、利益を充分に確保できない状況にあります。これは何故なのでしょうか。地域のNPO、社会福祉法人、農業事象者など非営利的な事業所(組織)においても、十分な売上高が得られないなどで苦労しておられるのではないでしょうか。

経営苦境にある企業等がその苦境から脱出していくためには、発展の基盤となる力が重要です。利益を生み出し、企業が発展していくための力です。

その力とは、経営力であり、スキル・ノウハウであり、人材の力であり、組織の活力などです。そしてこれらは、経営習慣化されているものです。


これらの力は、

経営発展のための核的な力
(マネジメント・ケイパビリティ)

ともいうべきものです。


この力が地域の中小企業、非営利的な事業所(組織)において不十分なところが多いというの現状です。そのためそれぞれの企業等において経営努力が必要です。
この核的な力、発展のための力を持っているか、持っていなければその力を創造発展させていくことが重要です。

 

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2018年11月21日 (水)

経営をデザインする

経営をデザインすることについて、取り組んでいくことが大事です。
 
企業のこれからをデザインするということですね。

 

「経営をデザインする」

 

 

2018年5月 1日 (火)

顧客価値を提供する経営デザイン


ライザップにかかる経営デザインは、痩せて健康になりたい、スマートになり自分に自信を持ちたいという人たちに対して、痩せるためのエクササイズや食生活指導を強力に行い、成果を出すことにより顧客に支持されているのである。

 

顧客にとっては、ライザップのマンツーマン・プライベートジムのシステムにより、痩せて健康になる、スマートになり自分に自信を持つことができるという顧客価値を受領することになる。

このような顧客価値を顧客に受領してもらうために、確実に痩せてもらうために、トレーナーは個別指導を二人三脚により行う。その際やる気の維持、アップをはかる必要があり、そのための声かけ、コミュニケーションが大事となる。

これらが顧客に向けた外向きの戦略的活動である。

Rizap_5

これらのトレーナーの活動を支えるために、企業として行われているのは、トレーナーの研修である。(もちろんその前にトレーナーという人材の確保が大事である)

研修の内容としては、コミュニケーション能力、食事管理に関する知識・ノウハウ、トレーニング方法についての知識・ノウハウなどである。またさらに、多くの会員にかかるビッグデータに基づいて、シミュレーションに基づく個別指導、説得などが行われ、トレーナーに提供される。

これらトレーナーへのノウハウの蓄積・提供、研修などは、内向きの戦略的活動である。

 

ライザップの例で説明してきたように、各企業の経営においては、顧客向けの-外向きの戦略的活動によって顧客価値を提供すること、また顧客価値を提供するためのノウハウの蓄積・提供など、外向きの戦略的活動を支える内向きの戦略的活動があるのである。これら二つの戦略的活動がうまく機能することによって、企業が発展していくのである。

中小企業の経営に当たっても、顧客に価値を提供するという活動(魅力的な商品・サービスの提供)と価値提供を支える人材や業務プロセスの視点での活動が十分機能していくとともに、両者の活動が連携をとっていくことが大事である。

 

そのため、売上高が低迷している、利益が出ないという中小企業にあっては、これらの活動が十分機能しているか、そのための経営資源・要素の相互作用や関係性が十分か、顧客価値の提供が十分かということについて、見直しをし、再度「経営デザイン」してみることが必要ではないだろうか。

2018年2月15日 (木)

企業経営についての授業(講義)

 職業能力開発促進法に基づく職業能力開発校で、マネジメント、マーケティング、人的資源管理、財務管理など経営全般に関する科目(45分授業相当32回分(90分授業16回分))の講義(授業)ですが、私の分は今日で修了しました。

 

テキストは、『経営課題の解決に向けたフレームワーク活用 ―地域中小企業、非営利的組織の持続的発展のヒント―』を使いました。

 

もちろん、この本だけでは不十分なので、様々な図解(パワーポイントのスライド)を使っての説明です。

 

十分理解してもらうために、事例なども入れて話しました。

 

自分の勉強にもなりました。

 

より以上に、さらなる自己研鑽が必要とも思いました。

2018年2月 2日 (金)

フレームワークを活用して経営する

フレームワークは、物事の本質を表す枠組みであり、考えるときに活用できる枠組みである。構造的な内容を示すキーワードとその関係性を示すものである。関係性の中でどのように経営するかを考えるという、経営をデザインするときにも有効に活用したいものである。

 フレームワークとしては、例えば、3C分析、SWOT分析などよく知られているものから、知的資産経営に関するスカディア・ナビゲータなど様々なものがある。

 

企業経営において、このフレームワークをフレークワーク・シートの形にして、書き込みながら検討していくことが、取り組みやすく、考えを深めていく取っ掛かりとして活用していきたいものである。

 

フレームワークの活用のポイントは、関係者の参加によって検討することである。そして、課題の共有や今後の方向性・戦略の共有ということが重要である。

 フレームワークの活用によって、課題の共有、方向性の共有することによって、経営革新の実践がより効果的に進められることになる。

 

さらには、一番のポイントは、具体的にどう実践していくかということである。実践の中で成果を出ていくことである。

 

2017年11月15日 (水)

顧客価値 & イノベーション

イノベーションとは、ものづくり+価値づくり である。
「高くても喜んで買いたいと熱望する商品を創造する」ことである。

顧客価値が変わってきている。複雑化している。
顧客価値は統合的価値である。
そして、
統合的価値=機能的価値+意味的価値
     =カタログ価値(仕様、スペック)+経験価値(デザイン、ソリューションなど)

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ただ、
顧客迎合は良くない。自己主張、自己表現が大事。主観的価値、デザイン的価値、
問題提起が大事。

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セミナー「日本企業が目指すべき顧客価値イノベーション」延岡健太郎 より
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