地域のマーケティング戦略
地域の具体的なマーケティング戦略は、まず、現状分析から始まる。顧客である地域生活者、地域企業、地域団体さらには、地域における多くのマーケティングにかかるアクター(主体)などが地域について自由に意見交換を行う。これらの結果分析、また、生活者、地域団体等、訪問者等のヒアリングやアンケート調査などを行う。これらの数値分析、特性分析を踏まえて、顧客満足、地域のコア・コンピタンスから見た地域の位置づけの分析や3C分析(競合地域、顧客の観点から自地域を把握する)、SWOT分析(自地域の強み、弱みと外部環境としての機会と脅威を把握する)などを行う。
地域の現状分析から、顧客満足を与える仕組み、顧客価値創造の仕組みを考えていく。コア・コンピタンス作りやネットワーク化、プロモーションの推進など、地域の戦略目標を考える。
この戦略目標のための具体的なマーケティング戦略を考えていく。地域の良さ、魅力をどのように創造・育成し、打ち出していくのか。地域におけるサービスをどのような価格体系の中でコミュニティビジネスが提供していくのか。地域の交通アクセスをどう整備していくのか。地域メールマガジンの活用等どのような地域情報を発信していくのか。様々なことを考えていく。
これらをどのように連携をとった形で効果的に実施していくのがいいのか。そのためには各地域経営主体の関係者をネットワーク化し、協議、調整を行い、お互いが連携、協力していくということが必要である。このネットワーク化して調整していく、主導的な役割を果たすのが地域の経営主体である。それは自治体が中心的な役割を担う総合的地域経営主体が考えられる。この地域の経営主体による緩やかなマーケティング・マネジメントが求められる。
(参考文献)
海野進『これからの地域経営』(同友館、2004年1月)
海野進「地域におけるマーケティング戦略を考える」(「広報」、社団法人日本広報協会、2004年11月号)
| 固定リンク
「地域経営」カテゴリの記事
- 学会論文の中で私の地域経営論(2022.09.14)
- 「まちづくり」と「地域経営」(2018.05.19)
- 地域経営学として評価されました(2018.05.13)
- 持続的発展を目指す「まち」のつくり方 (その1)(2018.04.03)
- 経営する機能の向上にはどうすればいいのか(2018.02.02)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント