市民主体の地域経営と行政主体の地域経営および地域協働の地域経営
「地域経営委員会による地域経営は、行政主導の地域経営からの脱却にならないのではないか。」という指摘について考えてみたい。
地域経営の主体としては、その機能を果たす組織等が求められる。その場合、地方自治体ということが十分想定されるところである。しかし、地方自治体が地域経営の主体としての機能を果たしていない場合または十分には果たしていない場合、地方自治体がその機能を果たすべくその意識・活動の革新を図っていくやり方と、地方自治体をも巻き込んだ新しい組織・場等を創設しその活動を実施するという新しい仕組みを創造していくやり方がある。
地方自治体による地域経営が、機能、実態の面から限界にきている。市民を含めた地域主体の地域経営運動を創造していくことが必要である。行政主導の地域経営から脱却するために、地方自治体を一構成員として、総合的な地域経営の主体が必要なのである。そのために、その委員会の活動内容と委員会トップがどのような意識で活動していくかが問題となる。
この場合の組織についても、フィックスされたヒエラルキーの組織というイメージではなく、実行のための委員会のような、地域経営という運動を進めるための場、プラットフォームとしてのやわらかな組織という形式が、地域経営においては実効性が上がるのではないだろうか。
地域経営における連携、調整機能に関して考えてみると、行政は調整機能を果たしている。生産調整、商店街振興、まちづくりなどにおいてである。しかしその機能が行政活動としては十分でも、地域経営として十分かどうかである。また、商工会議所・商工会や農協などの業界団体も組織活動として調整機能を果たしている。このような機能と連携を図りながら地域経営のための連携・調整機能を地域のビジョンに向けて総合調整を図っていくことが、地域の内発的発展の形成に効果的である。
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