地域における行政改革の推進とローカル・マネジメント
今、地域では行政改革がすすめられている。それは、三位一体の改革の推進により、地方交付税改革、税源委譲、補助負担金削減が進められることにより、実際的に地方の歳入が厳しくなるからである。
地域における自治体においては、従来、自治体の行政として、様々なサービス活動を実施してきた。たとえば、文化イベントなど様々な事業が行われ、それはゆとりを与えるものであり、ある意味では自治体や補助金を交付された関連団体による、住民に対する文化行事のふるまいであった。
これが、行政改革によって、様々な見直しが進められている。また、指定管理者制度の導入によって、従来のやり方を再検討したうえで、公の施設に対する管理を代行させることが進められている。このような行革においては、アウトソーシング(外部発注)、事業の削減が行われる。不要不急の事業・サービスの削除であり、事業の削減は行政サービスの低下である。
また、アウトソーシングは機能主体の転嫁である。削減された事業については、本当に必要であれば、自主的、内発的な主体、活動が生まれるかどうかである。たとえば、文化については、従来自治体においては、チケット収入で不足する分について公的な財源を持ち出しして有名な演奏家を招いてコンサートが開かれたりしていた。それについて、住民が身銭を切って、相応の負担をしながら、コンサートなどを開催できるかである。内発的な文化の振興を図ることができるかである。そのために、地域の文化振興を図る機能主体を民間の自主的な活動でできるかどうかである。
いままで、公で行われてきたサービスが本当に必要であったのか.必要であれば、公がしないのであれば、それは他の地域経営主体が実施ていくのかを、地域として考えて行動していくことが必要になる。公に頼ってきたもの、公から与えられてきたものについて、公以外で自主的な活動で、その機能主体になりうるかである。そのような機能主体、住民の満足・生きがいを向上させる機能を果たす地域経営主体が、創生、発展していくことができるかである。
このように従来、公で行われていた部分について、機能主体の転換が図られ、地域の様々な主体による活動が行われていくかどうかが、地域の内発力にかかわってくるのである。そのようなローカル・ガバナンスが創生され、それがいい形で維持可能な形で経営されていくことできるのか。さらに、ローカル・マネジメントの創造に向けた活動が地域に発生してくるのか。これらが、これからの地域においては大きな課題ではないだろうか。
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