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2007/12/24

地域経営のための自治体政策


 ガバナンスの時代、協働の時代においてはそのリーダーシップが十分発揮されず、バラバラな各地域経営主体の活動ということが懸念されるところである。また経営体としてマネジメントされた活動を行うことが求められる。このため、地域経営においては、まず地域のビジョン、地域経営目標が明確になっている必要がある。この明確になったビジョン、目標の実現に向けて、地域内の各地域経営主体が経営活動を行うことが必要となってくるのである。自治体においては、このビジョン、目標の実現に向けた自治体政策が求められる。
 このビジョン、目標の実現に向けた各地域経営主体による活動については、総合調整機能が求められるところである。その調整機能の担い手としては、自治体に求めるという考え方もあるが 、自治体における現在の果たしている機能やこれからの地域経営における協働の体制つくりということから、地域経営主体の参加による総合調整の場をつくり、その中で地域における各経営主体の機能と能力に応じて主体的役割を果たす主体が決まってくるべきである。また、またその場としてたとえば、総合的地域経営主体のようなネットワーク型組織※をつくり、その場の中で総合調整が行われることが必要であると考える。そのような地域プラットフォームの創造と運営を行っていくべきである。そのためには自治体の主体的な役割と、地域プラットフォームの創造と運営にむけた自治体政策の形成が求められることは言うまでもない。
 地域の発展に向けた経営においては、このような地域プラットフォームを基盤に発展のためのシステムづくりが求められるのである。ナレッジ・マネジメントによる知的活力の育成、それによる地域のコアコンピタンスの創造が協働的な自律的システムづくりの支援につながっていくのである。また、地域内産業連関や連関ネットワークによって地域連関のシステムづくりを進めていく必要がある。このような政策が求められるところである。
 以上のような観点での政策形成が地域の発展や地域経営に必要である。そのため、自治体の内発的固有政策の形成や自治体の様々な政策の遂行過程、活動における地域経営フォローアップが是非とも必要である。自治体政策の実行段階において、ただ単に漫然と遂行するのではなく地域経営、協働、地域の発展のシステムづくりに有効に働くことを念頭において政策の実行すすめていくことが自治体に求められるのである。

(※ 地域経営におけるネットワーク組織については、矢吹雄平「「マーケティング・ネットワークの地域モデル」における“ネットワーカー”」(岡山商大社会総合研究所報 第23号2002年10月)参照)


<参考文献>
 海野 進「地域経営における自治体の政策形成」(『知研フォーラム』298号、特定非営利活動法人知的生産の術研究会、2007年10月)

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