« これからの地域経営と福祉の役割 | トップページ | 地域経営の考え方とこれからの行政・職員のあり方 »

2009/11/23

酒造業の経営

酒造業は、地域において長い歴史を持つ老舗が多く、地域の経済活動や地酒による地域特性の形成などに役割を果たしてきているところである。

酒類の需要動向等
 酒類に関する需要動向については考えるときは、生活者からみると、自宅、個人的付き合い、仕事の付き合い、の場における需要である。流通チャネル的にみると、飲食店向け(居酒屋、旅館、ホテル、など)、卸売り向け(ディスカウントストア、百貨店、スーパー、一般小売店、など)、直販に分けれる。
 まず、酒類全体に対しては需要が減少している。これは、職場関係や業界関係の、つまり仕事上の付き合いによる飲酒機会が減少してきたということを表しているのではないか。(総務省の「社会生活基本調査」(2006年)によると男性有業者の「交際・付き合い」が過去30年間で週平均7時間減少した。)
 消費者ニーズの変化、多様化に関しては、健康志向(焼酎、赤ワイン、糖質ゼロビール)、本物志向(甕仕込みの芋焼酎、○年物のワイン)、低価格志向(焼酎、発泡酒、ディスカウントショップ利用)がみられる。
 このようなことから、清酒・ビールの消費の減少、焼酎・ワイン等の消費の拡大がみられる。また低価格志向店とコンサルティング販売等を行う本物品質志向店がみられる中で、従来の酒小売店という流通チャネルのウェイトが低下してきている。
 このような現状に関する課題は、消費者ニーズへの対応つまりマーケティングの充実が課題である。具体的には、清酒の品質・味わいや売り方などについて革新的な対応が必要であり、流通チャネルの多様化への対応である。

今後の経営
 酒造業においては、全国的な販売を行う大規模な酒造場、地元を中心とした地酒を販売する中小規模の酒造場などがある。
 酒造業は老舗が多いが中小規模酒造場においてはマネジメント機能を重視した現代企業へ転換していくことが重要であると考えられる。また、清酒の需要が減退する中においては生産重視から顧客重視への経営戦略の転換が必要であろう。
顧客重視のマーケティングとしては、若者や女性に受け入れられるための創造的な諸活動が大事である。

    参考文献:社団法人中小企業診断協会 富山県支部 『県内清酒製造業の課題と活性化策報告書』(2009年11月)

|

« これからの地域経営と福祉の役割 | トップページ | 地域経営の考え方とこれからの行政・職員のあり方 »

企業経営」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 酒造業の経営:

« これからの地域経営と福祉の役割 | トップページ | 地域経営の考え方とこれからの行政・職員のあり方 »