「地域の経営学」の実践-幕末の小藩における地域経営
江戸時代末期の越前大野藩(現在の福井県大野市)においては、「地域の経営学」の実践が行なわれていました。企業経営的な手法等の活用による地域経営です。
越前大野藩において、様々な活動をして、80年はかかるといわれた藩の借金を約20年で返済しました。
この様々な活動内容について、バランス・スコアカードの視点から捉えると、学習と成長の視点、内部ビジネス・プロセスの視点、顧客の視点、財務の視点での活動がそれぞれ行なわれていることが分かります。各視点の活動が連携をとって、有機的に行なわれていたと推定されます。
また、マッキンゼーの7Sの視点からみても、Strategy(戦略)、Structure(組織)、System(仕組み)、Shared value (価値観)、Style(風土)、Staff(人材)、Skill(ノウハウ)の各要素にかかる活動が行われていました。これらの活動がそれぞれ機能することによって、成果につながったものと考えられます。
これからの人口減少時代においても、企業経営的手法等の活用という「地域の経営学」の実践に取り組んでいくことが、求められるのではないでしょうか。
参考文献
海野進 「「地域の経営学」の実践-幕末の小藩における地域の経営活動」(月刊『企業診断』(同友館)2014年6月号)
参考
海野進『人口減少時代の地域経営-みんなで進める「地域の経営学」実践講座』(同友館、2014年)
第9講 幸福・価値・満足の向上を目指してバランス・スコアカードに取り組む
第18講 地域における企業経営は、経営力、ノウハウ力、マーケティング力が重要
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