「地域の経営学」入門 …人口減少・高齢化への対応は、消費需要の減少への対応でいいのか…
人口減少は、量的な減少だけではなく、高齢化・単身世帯の増加とも相まって地域構造・需要構造の質的な転換をもたらすことになります。地域経営においては、それへの対応を考えていくことが重要です。
人口減少・高齢化に伴う企業、地域全体、非営利の地域経営主体、それぞれの今後の経営について、「マーケティング的に」及び「マネジメント的に」考えてみることが大事です。
<企業>
①マーケティング的に考えると、
消費需要が量的に減少するというだけではなく、地域の社会的・文化的・経済的構造等が大きく転換すると考えられます。
・需要構造の大きな変化
・地域生活者や企業などの顧客における新たな課題への対応
これらが地域の企業にとって必要です。
基本は、
マーケティングとしての顧客課題の解決に向けた創造的提案、創造的対応
です。
ポイントは、
「経験価値」
「感動」
、、
です。
これらについて、具体的に詳細に検討してマーケティング対応していくことですね。
②マネジメント的にみると
バランススコアカードなどを活用した戦略的な経営が求められ、また、企業の知的資産の充実・活用が重要です。
これらについて、具体的に詳細に検討してマネジメント対応していくことです。
<地域全体>
コミュニティの維持困難性、空き家の増加、ファミリー神話の崩壊、、、などが懸念されます。
これに対しては、地域関係者との連携による対応、ビジネス対応(代行ビジネス対応、コミュニティビジネス対応など)などが考えられます。
①マーケティング的にみると、
地域内の生活者、関係者(ステークホルダー)に満足、価値を与えるための創造的対応、地域の知的資産(地域力)の充実・発展が重要です。これらについて、具体的に詳細に検討してマーケティング対応していくことです。具体的には、、、、
②マネジメント的にみると、
地域の目標の実現に向かって地域全体としてどのように活動していくか、そのための体制づくりや仕組みづくりが大事ですので、具体的なマネジメント対応を検討していくことですね。具体的には、、、、
<非営利の経営主体>
地域コミュニティとのかかわりの希薄化、、、などの新たな課題に対応して、効果的な活動を進めていかなければなりません。
①マーケティング的には、
顧客満足度、顧客価値度について、詳細に検討して対応していくことですね。
②マネジメント的には、
地域の資源(人、モノ、カネ)を活用・統合して、地域の維持可能な発展のために活動していくために、具体的に検討してどう対応していくかです。
参考
海野進『人口減少時代の地域経営-みんなで進める「地域の経営学」実践講座』(同友館)
第4講 地域経営における3つの視点
第6講 地域経営におけるマネジメントの実践
第11講 地域経営におけるマーケティング
他
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