「地域活性化の経営学」…知恵と工夫でワクワクする経験を感じてもらう
地方創生が言われていますが、これは、地域が元気になる、生き生きと活動し地域に住むみんなが幸せに暮らすということであり、つまりは地域活性化です。
地域においては、地域の各企業において、思ったように売れない、雇用機会を提供できない、思ったように購買・利用客数が伸びないということなどが課題ではないでしょうか。
これは「地域活性化の経営学」の問題ですね。
思ったように売れない、思ったように購買・利用客数が伸びない、ということは、マーケティングの問題ですね。顧客のことを考えているかどうかです。もちろんみなさんは顧客のことを考えて経営活動をしているとお答えになります。
顧客の満足を得るように、顧客のことを考えて経営活動をなさっておられます。
例えば、企業においては、「どのような製品・商品やサービスを作るのか(売るのか、提供するのか)」「価格はどれくらいにするのか」「何処で販売するのか、そのためにどのような流通チャネルを使うのか」「どのように販売促進プロモーションをするのか」(マーケティングの4つのP)について検討し、経営活動が実行されます。
この各項を検討するときに顧客の満足を得るように対応します。しかし、思ったように売れないということは、マーケティングが十分ではないということです。
また、それに加えてマネジメントの問題があるかもしれません。
より以上の工夫、知恵が必要ということです。ソフト的な、知的な対応、(知恵、工夫、ノウハウなどの)知的資産を活用した経営です。
一過性のイベントを行ったり、インフラを整備したりすることによっては、一時的に活性化したように見えても、その効果は時間の経過とともに減少していきます。
継続的に地域を活性化していくためには、継続的な活動が大事です。常に取り組み、前例踏襲ではなく新たな工夫や知恵を導入して実行することが必要です。
その場合のポイントは、「顧客が好むもの、欲しいもの、満足するもの」ではなく「顧客のためになるもの、喜ぶもの」を提供することがポイントです。
それは、顧客価値というものです。そして重要なのは顧客の感じる経験価値です。
あるレポートによると、食品スーパーにおいても広告宣伝などよりもサービス・サポートが顧客にとっては大事であるということです。顧客との接点での対応、つまり感情的なワクワク感や店での経験・体験が良いと、また次もこの店を使おう、何かを買おうということになります。
地域活性化においても、単に広告宣伝するのではなく、地域の各地域経営主体において、訪問者や生活者が、感情的なつながりや経験を得られるように経営活動をすることが大変重要です。地域において、感覚やセンスに訴えるものがある、感情的に強く惹かれるものがあるなどの魅力ある経験ができる仕掛けや活動に取り組みたいものです。
【参考文献】
海野進『人口減少時代の地域経営-みんなで進める「地域の経営学」実践講座』
第15講 地域において顧客価値、経験価値を創造、伝達する
第16講 活性化事例における顧客価値マーケティングの実態を見てみる
高橋広行「消費者視点のリテール・ブランド・エクイティ-食品スーパーを対象モデルにしたモデルの検討-」(JAPAN MARKETING JOURNAL Vol.33 No.4(2014),http://www.j-mac.or.jp)
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