地方創生について考える <仕組み・構造を考える>
地方創生について考える
<仕組み・構造を考える>
地方創生が本格的はじめられ、まち・ひと・しごと創生法が施行され、まち・ひと・しごと創生本部が本格的に動きだしました。
地方創生、地域活性化はどのように進められればいいのでしょうか。ただ、地方に特色ある活動を振興し、それに対して補助金等を交付するということで達成されるのでしょうか。しかし地方が特色ある活動をする、そのために助成金を交付するという図式は、今までも、絶えず、繰り返し行われてきたのではないでしょうか。それで、地域が活性化し、地域が維持可能な発展をしたのでしょうか。
このやり方は、企業経営的に考えると、企業内の工場等の各現場ごとにQC活動や改善活動を行って、その活動に補助を出し、それで企業全体の活性化を図ろうとするのと同じです。しかし、企業でもそのような活動を行っても効果的な企業全体の活性化が図られなければ、企業内のシステム、仕組みに内在する問題といえます。そのため、業務プロセスの改革、企業内システムの改革などの大なた、仕組みを大きく変えることをしないといけません。
経営において重要な要素である7Sは、Shared value、Style、Staff、Skill、Strategy、Structure、Systemです。このうち、StructureとSystemについて改革を進めないと、企業としての発展は危ういと言わざるを得ません。
地域活性化にかかる、地域の在り方、地方と国のあり方などを、そのままにして、目先のことを一生懸命にしても、今までとは大変わりはしないのではないでしょうか。
地域の活性化、地域の内発的発展を目指すためには、各地域の、Staff、Skill等の向上を図り活動を進めるだけではなく、StructureとSystem等の改革も並行して進めることが必要です。
(経営において重要な要素である7Sについては、海野進『人口減少時代の地域経営-みんなで進める「地域の経営学」実践講座』(同友館)p.251などを参照してください。また、地域経営における7Sについては、海野進「「地域の経営学」の実践-幕末の小藩における地域の経営活動」(月刊『企業診断』、同友館、2014年6月号)を参照いただければ幸いです。)
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