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2020年4月

2020/04/30

戦略の見直し


 景気の大幅な後退などによって、売上高の大きな減少や利益の大幅な減少が生じた場合、当面の課題である売上高の確保、資金繰りなどに全力で対応していくことになります。
 しかし、それが一段落したら、やはり、今後のことです。今までにない状況に今後どう対応していくかを考えていかなければなりません。
 つまり、経営戦略の練り直しです。
 
1.現状の再確認
 現状の把握・再確認は、
  市場の状況
  経営資源の状況
の再確認です。市場は対外戦略の基本的対象であり、経営資源は対内戦略の基本的対象です。
 苦境に陥った時は、まずは、自社の強み、弱みの再確認です。自社の経営資源の市場開拓力(市場からのニーズへの技術的対応力、新製品展開力、顧客価値提供力など)が現在の市場状況に対応できるかです。経営資源力の現状と課題の把握です。特に今後の経営資源の対応力の現状と課題の抽出が重要です。
 次に、現有の市場の動向と関連市場の動向です。関連市場としては、自社の市場と関連する市場、自社の経営資源が活用できると考えられる市場、今後拡大すると見込まれる市場についてです。これらの市場の規模、業界構造(競合状況等、5F)、今後の動向見込みを把握したい。
 活用するフレームワークとしては、SWOT分析、Future SWOT分析(3-5年後についてのSWOT分析)、ファイブフォース分析、3C分析などです。

2.経営戦略の見直し
 経済状況、経済環境が大きく変化した今、現状の再確認の結果をもとに経営戦略の見直しが必要です。
 この場合の基本戦略としては、今後の企業の継続的な存続という観点から二兎追い作戦がポイントと考えられます。つまり、異なる分野、市場を対象にした経営、異なる市場分野にもフォーカスを当てて企業活動するという戦略を考えていくことです。
 部門、分野を二つ持ち相互連携を目指す(材料の共通化、加工方法の共通化、機械の共通化、販売時期の分散化、など)ということです。

3.具体的な検討
 経営戦略の見直しとして、新たな分野への挑戦を考える場合、重要なのは市場と経営資源の問題です。現在の市場と新たな市場との近接度と、現有経営資源と新たな分野に必要な経営資源の問題です。その中でどのような分野への挑戦をするかです。
 具体的には、「経営資源を活かして関連市場分野への参入」、「経営資源を活かして新たな市場分野への参入」「関連市場分野の新規参入」「拡大市場の新規参入」が考えられます。

Zu1

 これらの各分野における新たな分野・市場について、ブレーンストーミングを行うなど知恵を絞っていきたい。
 そして、新らたな分野への挑戦にあたっては、それぞれ課題があるります。
 新たな技術・ノウハウがあるか、それは優位性があるか。それらを新たに習得していくか、特異的なノウハウ・技術力を蓄積していけるかなどです。
 これらを具体的かつ詳細に検討していくことです。
 これらについては、新たな分野への挑戦のための検討表に基づいて、検討することが大事です。
 つまり、自社の経営資源としては現在どのような内容であるか、それが挑戦しようとしている市場に向けてどのような課題があり、その課題を解決するためにはどのようなことに取り組むべきか、ということを検討しなければなりません。

Zu2
 

4.経営体質の強化戦略・転換戦略
 これまでみてきたような検討をもとに、経営体質の強化戦略、転換戦略を決定し、着実に前進していきます。
 その際のポイントは、
  ・知的資産(技術・ノウハウ、人材)の育成強化
  ・特異分野を育てる
  ・定期的な業績(進捗実績)の検証と課題への対応の継続的な実施
です。 

 

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