少子化対策にどのように対応していくか
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知的資産とは、「人材、技術、技能、組織力、経営理念、顧客とのネットワークなど、財務諸表には表れてこない目に見えにくい経営資源の総称」です。それは知恵であり、工夫であり、組織としての対応力です。(経済産業省HPなど参照)
この知的資産が、企業の価値を生み出しており、企業の競争力の源泉です。
この知的資産(人的資産、構造資産、関係資産)を洗い出し、それを自覚して、この知的資産を活用して、より以上に発展していこうというのが、知的資産経営です。
例えば、先日、岐阜県で美味しい鰻屋さんに行きました。そこで感じたのは、この鰻屋さんの知的資産です。鰻屋さんの知的資産としては、鰻を美味しく調理する腕、美味しいタレを作る技術、良質な鰻を仕入れるための老舗川魚問屋との長年の取引関係、美味しい鰻屋としての評判(ブランド)、などがあります。
その他、モノづくり企業においても、微細・微小・超精密加工技術を持った企業、商品企画力が高いファブレス企業、などがあげられます。この場合、微細・微小・超精密加工技術や高い商品企画力・優秀なモノづくり企業とのネットワークが、それぞれの企業の知的資産になります。
これからの企業経営においては、自らの知的資産を洗い出し、それをより一層強化するとともに、新たな知的資産の育成・発展にも努めていくことが、さらなる発展に繋がります。
地域活性化や地域の経営・発展においても、地域の知的資産(知恵、工夫、文化、風土などの知的で特長的な資産)を洗い出し、その知的資産を有効活用して、地域の内発的な発展に向けて活動していくことが肝要です。ただ漫然と地域の経営活動をしているだけでは真の発展は望めません。
知的資産経営認定士・中小企業診断士
海野 進
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地域の活性化図るための地域経営においては、地域における重要な役割を果たす経営主体が成果を上げていくよう支援することが大事です。
現在のようにモータリゼーションが進展し、人々が様々にクルマを利用して旅行する今日においては、多くの人が地域の特産物等を求める際には、道の駅を訪れます。その意味において、地域産品の販売を行う道の駅が、地域の顔であり、地域の特産品の販売拠点であることから、地域の発展において大きなウエイトを占めています。
そのような道の駅についてのレポート等の事例を参考に、マッキンゼーの7Sというフレームワークを活用して活性化方策について考えてみたいと思います。
マッキンゼーの7Sは、企業における経営資源7Sの効果的な連携により発展を目指すもので、この7Sに基づいて組織の発展を図っていくことは大変に効果的であると考えられます。
マッキンゼーの7Sは、ソフトの4Sとハードの3Sに分かれます。ソフトの4Sは、Shared value (共通の価値観・理念)、Style(経営スタイル・社風、風土)、Staff(人材)、Skill(スキル・能力、ノウハウ)です。ハードの3Sは、Strategy(戦略)、Structure(組織構造)、System(システム・制度、仕組み)です。7Sは、どれか1つを強力に推し進めることによって成功するというものではなく、これらの重要な要素が適切な関係性を保ってすすめられることが重要です。
<道の駅の現状(例)>
ある道の駅については、現状の延長のような計画による経営、ありきたりの商品が多い、小集団による改善活動が行われていない、駅長(責任者)が常駐していない、担当者が休むとパンの製造が中止となる、店員が高齢化している、各部門別の人員体制及び能力別人員数が十分でない、販売員の来客対応に問題がある、全体として魅力がない、従業員一人当たり売上高が平均を下回っている、という状況でした。(あるレポート等による)
<7Sの視点から道の駅の活性化策の検討>
上記のような道の駅について、7Sの視点から考えてみたいと思います。
やり方としては、7S毎の「現状と課題」を整理します。そのうえで「現状と課題」に対応した「改善・向上策」をたて「具体的なアクション」を起こしていくことを考えてみます。
そして具体的なアクションを実行していく中で、適宜それぞれの指標(活動指標、成果指標)を把握し、成果が十分上がっているかを確認しながら取り組んでいくことが重要です。
これらを整理してみると次の表のようにまとめることができます。
ともかく、経営資源にかかる7Sの連関性を図りながら、具体的なアクションを遂行していくことがポイントとなります。そのため、地域経営においては、今回の例のような道の駅の場合においては、マネージャー(責任者)の意識改革のための研修参加、中小企業診断士等のアドバイス・指導を仰ぐなどのサポートをし、全面的な経営革新・経営改善が行われ成果の上がる経営活動が推進されるように取り組むことが肝要です。
参考文献
海野進『人口減少時代の地域経営-みんなで進める「地域の経営学」実践講座』(同友館、2014年3月) 第18講
海野進「「地域の経営学」の実践-幕末の小藩における地域の経営活動」(月刊『企業診断』、同友館、2014年6月号)
Copyright 海野 進 2016
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1.地域再生大賞が決定
地域活性化に挑む団体を支援しようと、地方新聞45紙と共同通信社が設けた「第6回地域再生大賞」の各賞に、大賞「かさおか島づくり 海社 (かいしゃ) 」(岡山)、準大賞には「 沼垂 (ぬったり) テラス商店街(テラスオフィス)」(新潟)と「岡崎まちゼミの会」(愛知)に決まった。特設の表彰として「葉っぱビジネス」で知られる功績を評価し「いろどり」(徳島)に、選考委員長賞を贈ることを決定されました。
かさおか島づくり海社は、介護や買い物支援で島の暮らしを支える。沼垂テラス商店街は衰退した市場を若者が集まる場所に再生。岡崎まちゼミの会は商店主が技術を伝え消費者の関心を集める活動を広げた。いずれも地域づくりのモデルになると評価されたということだそうです。
ノミネートには多くの活動が出ていました。イベントなど交流や賑わいを目指した活動がみられました。これらの活動は、取り組みやすい面もあり地域の活性化という点では重要であり、必要な活動の一つではありますね。
もう一方は、介護や買い物支援、街の再生、などは、多くの関係者による協働が必要になったり、継続的な活動が必要になり、継続的な実施には関係者の相当なエネルギーとネゴシエーションが必要になってくることが容易に想像できます。交流・にぎわい創出のための活動と比較した場合、の困難性を感じますね。
また、対象に決定した介護や買い物支援等の活動は、地域の課題解決を図るための、多様な活動を、着実に進めてきた活動であり、まちゼミは商店主によるゼミを開催することにより、地元の商店の良さを定着させていくガーデニング型マーケティングの発想による地道なマーケティングの実践でもあります。
着実に、地域の課題の解決に向けて、地道な活動が重要であり大事であるということを示唆しているのではないでしょうか。
2.地域の課題への対応
地域において何が課題であり、そのためにどのような政策が期待されているかについては、内閣府「地方再生に関する特別世論調査」(2009年)によると、「地域が元気になるために特に期待する政策」は、多いものからみると、「多様な世代が共に暮らせるための福祉、医療の充実」59.2%、「安心して住み続けるための防犯、防災対策の充実」49.0%、「商店街の活性化対策や、まちなかの居住環境の向上などの中心市街地の活性化」44.5%などとなっています。これらの、福祉・医療の充実、防犯・防災対策の充実、中心市街地の活性化が、地域生活の上で十分になされていない、地域における課題であるといえます。
今回の受賞の活動は、介護や買い物支援、街の再生、などであり、世論調査にあるように、期待されている政策に関連する活動です。地域課題への対応といえることが評価の一因ではないでしょうか。
3.地域課題への対応主体
介護、買い物支援、街の再生などにかかわる活動ということですが、よく考えてみると、本来行政セクターですべきことではないかということです。パブリック・ガバナンスの問題ではないかということです。行政セクターが弱体化しており、多様なニーズに対応できないということでしょうか。行政任せで課題を放置しておくよりは地域自らが課題解決に乗り出すのがよいということでしょうか。それとも乗り出さざるを得ない状況であるということでしょうか。
「地方再生に関する特別世論調査」(2009年)によると、「中心となって活動すべき人々、団体」は、多いものからみると、「住民一人ひとり」62.2%、「地方公共団体」53.7%、「商店街」33.6%、「民間企業」32.5%、「自治会や、講、もやいなどの地縁的な団体」32.4%、「国」30.1%などとなっています。このように、「地方公共団体」「国」が中心となって活動すべきという割合が高くなっています。(両方を合計すると 83.8%にもなります。)
行政セクターと民間セクターの問題であり、行政がもっとすべきであるという議論、要望もあります。また、国の視点からの政策は国のことを考えているだけであり、個別の地域を重視していないので、国任せにするのではなく、地域の視点からの政策の在り方を考え、推進していくことが大事であるという意見もあります。
また、パブリック・ガバナンスにおける行政セクター(国・地方自治体)の機能不全や失敗に伴って、行政セクターが地域の課題に対して十分機能していない、または、無力・無策であるということから、ソーシャル・ガバナンスにおいて、コミュニティやNPOなどが対応せざるを得ないということでもあると考えられます。
ともかく、公的セクター、民間セクター、市場セクター、中間的セクターの役割分担、あるべき姿の問題である。これについては、常に議論をしてコンセンサスを得ていくべき問題である。つまり、政治システム、経済システム、社会システムという3つのサブシステムに対応した、パブリック・ガバナンス、マーケット・ガバナンス、ソーシャル・ガバナンスにおいて、どのシステム、どのガバナンスで対応すべき事柄かどうかということです。
4.各地域経営主体の機能分担
各ガナンスの機能分担という問題はまた、各地域経営主体の機能分担の問題でもあります。地域の内発的な発展のためにはどうか、という視点が重要です。
ただ、多様な地域経営主体が活動するのが良い、ただ民間が頑張っているから良いという問題ではないのではないか。本来的には、このセクター、ガバナンスの対応(この地域経営主体での対応)が必要ですが、これこれの状況を踏まえると当地域においては、このガナンスとこのガバナンスがそれぞれの地域経営主体が活動において連携を取っていくというコンセンサスが大事であり、そのうえで実行活動をしていくなかで、PDCAを回すなどしながら、相互に連携し、緩やかな調整を図っていくことが大事です。
5.継続的な活動のための仕組み
三つのガバナンスがそれぞれにどのように機能分担していくかという課題のほかに、もう一つ考えるべきは、地域のための活動の継続性の問題、地域におけるキャッシュフローの問題です。つまり、「地域の経営学」の実践という視点です。キャッシュフローに繋がる活動や仕組み・仕掛けがあるかどうか、また。より効果的にキャッシュフローが増加し地域内で連関していくかという問題です。つまり、売上とか利用料とか手数料が発生することが、ない場合より継続に繋がると考えられます。
効果的にキャッシュフローが生まれる活動という視点での取り組みかどうかが地域の発展に繋がることが考えられます。ボランティア活動だけで、推進しようとすると限界、息切れが生じることが十分予想されます。そのために地域の活動のなかにキャッシュフローが生まれる仕組みを入れることに取り組みたいです。そして、それが効果的に行われるためには、地域経営主体において、マーケティング、マネジメントなどの実践が効果的に行われることです。
以上をふまえると、地域の真の発展のためには、どのガバナンスが機能を発揮し、他のガナンスの地域経営主体と連携を進めていくのが良いのかを、地域が自立的に議論し、考えて、進めるとともに、ガバナンスの在り方、機能について、コンセンサスを得ることが大事です。そのうえで、キャッシュフローを効果的に生み出すべく、地域経営主体において経営学の実践がどれだけ行われているかを分析して、その分析・検討結果、成果と課題を他の地域の活動、地域経営主体の活動に活かしていくことこそが、地域の真の発展に繋がっていくと考えられます。
※参考文献:海野進『みんなで進める「地域の経営学」実践講座』(同友館)
「いろどり」や「まちゼミ」について、その意義や「地域の経営学」実践などについて記述しています。いろどりについては第21講など、まちゼミについては第16講・第21講などにおいて。また、ガーデニング型マーケティングなどマーケティングの実践については、第11講から第17講において詳述しています。
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深刻化する地域の疲弊に挑む団体にエールを送ろうと、地方新聞社と共同通信社が2010年度に設けた『地域再生大賞』の第6回の大賞のノミネート団体が決定したようです。
http://www.47news.jp/localnews/chiikisaisei/taisho/
ノミネート団体詳細は次のところに掲載されています。
http://www.47news.jp/localnews/chiikisaisei/taisho/2015/nominate.html
これらのノミネート団体においては、
地域を元気にしたい
地域の衰退を止めたい
地域のみんなが笑顔で生き生きと活動する地域にしたい
など、
地域活性化を目指して活動していることが分かります。
そして、具体的な活動内容をみると、自地域と都市等他地域住民との交流を目指したもの、自地域の住民が元気になることを目指したもの、集客力高いもの(そうでもないもの)、地域資源を有効に活用したもの、など、いろいろです。
もちろん、地域の外から有名人を呼んできて地域特産物を販売するなど地域が元気になるための活動をすればいいというものではないと思います。(もちろん、それだけでも大変な活動で関係者の努力に敬意を表します。)
有効性、効果性が大事だと思います。
つまり、真に地域が発展することを目指す地域活性化、地域再生のための活動においては、地域経営ということが重要です。
具体的には、
・地域の(有形・無形の)資源・資産が活用されているか
・外部からの力ではなく、地域内部の活動する力・発生する力によって活動がされているか
・地域の発展を支える(有形・無形の)資源・資産やノウハウ等が育成・醸成・発展されているか
そのためには、地域において活動する組織・人のネットワーク等が組織としての学習し発展しているかという点などが、重要となっていくのではないでしょうか。
特に、地域内人的ネットワーク、地域の有形・無形の資産、地域の知(ナレッジ)の力・対応力ではないでしょうか。
その意味では、過去に地域再生大賞を受賞した団体のその後の状況を注意深く見守り、今後の自地域の発展に向けて参考にしていきたいですね。
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台湾・台北市で開かれている「205台湾国際文化創意産業博覧会 Creative EXPO Taiwan」(略称:文博会)に富山県の伝統産業の企業が参加しました。
その中で、出展参加している615社の商品等を対象とした「Cultural and Creative Award」の審査が行われ、富山県内企業からは㈱能作、天野漆器㈱、(有)四津川製作所の3社が上位30社である「特賞」に選ばれました。
地域で頑張っている伝統産業企業がそのデザイン力、技術力がアッピールされていました。
出展企業を見ていると、地域の企業が技術力を活かし、顧客志向のものづくりをしていくこと、つまりイノベーションを起こしていくことが成果に繋がっていくことを実感しました。
参考文献:海野進『人口減少時代の地域経営-みんなで進める「地域の経営学」実践講座』(同友館) 「第19講 地域産業においては、イノベーションを起こす」
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一過性のイベントを地域経営に活かす
-イベントで人がたくさん来ればそれでいいのでしょうか
地域創生、地域活性化に向けて様々な講演、研修等が行われているところです。講師からは、いろいろなアイデアやマーケティング、マネジメントに関するアドバイスがなされているところです。そこにおいては、イベントを行い如何に来訪者数を増やすかという点、来訪した観光客に対して如何に満足してもらうか、評価してもらうかという点でのノウハウやコツが伝えられます。
しかし、イベントにおいて来訪者が多く来る、それだけでいいのでしょうか。
イベントには、ラーメン祭り、自然を舞台にした芸術祭、各町屋にひな人形を飾るイベントなどいろいろありますね。
来訪者が多く来るということは顧客満足という点では良しとしましょう。
地域資源の活用という点で考えてみると、地域資源を源泉としたイベントと地域外資源を主体にしたイベントがあります。地域資源を源泉としたものは、地域資源の有効活用や地域の知的資産、今後の地域の内発的な発展に向けて期待が持てるところです。
また、行政に頼らない自律的な活動が地域で行われることか。重要ではないでしょうか。行政任せ、コンサルタント・イベント会社任せにならないことが重要ではないでしょうか。
具体的なイベントの実行や実績の検証、課題の抽出ということを、地域経営の視点から行うこと、それによって、これらの課題を踏まえた対応を進めることによって、これからの地域経営による地域の発展に結びつけていけば良いのではないかと思います。
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海野進『人口減少時代の地域経営-みんなで進める「地域の経営学」実践講座』同友館
が雑誌『地域開発』(日本地域開発センター)2014年12月号「書評」に取り上げていただきました。評者は長瀬光市 慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授です。
この書評において、「地域の多様な主体による地域経営の在り方、地域の活性化について注目すべき本」、「活性化事例をマーケティング、マネジメントの視点から読者にわかりやすく実践のためのヒントを示唆している」、「地域と自治体の持続性の挑戦に向け、行政・実務者・住民等の皆さんに読んでいただきたい一冊である」などとコメントいただきました。
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地方創生が言われていますが、これは、地域が元気になる、生き生きと活動し地域に住むみんなが幸せに暮らすということであり、つまりは地域活性化です。
地域においては、地域の各企業において、思ったように売れない、雇用機会を提供できない、思ったように購買・利用客数が伸びないということなどが課題ではないでしょうか。
これは「地域活性化の経営学」の問題ですね。
思ったように売れない、思ったように購買・利用客数が伸びない、ということは、マーケティングの問題ですね。顧客のことを考えているかどうかです。もちろんみなさんは顧客のことを考えて経営活動をしているとお答えになります。
顧客の満足を得るように、顧客のことを考えて経営活動をなさっておられます。
例えば、企業においては、「どのような製品・商品やサービスを作るのか(売るのか、提供するのか)」「価格はどれくらいにするのか」「何処で販売するのか、そのためにどのような流通チャネルを使うのか」「どのように販売促進プロモーションをするのか」(マーケティングの4つのP)について検討し、経営活動が実行されます。
この各項を検討するときに顧客の満足を得るように対応します。しかし、思ったように売れないということは、マーケティングが十分ではないということです。
また、それに加えてマネジメントの問題があるかもしれません。
より以上の工夫、知恵が必要ということです。ソフト的な、知的な対応、(知恵、工夫、ノウハウなどの)知的資産を活用した経営です。
一過性のイベントを行ったり、インフラを整備したりすることによっては、一時的に活性化したように見えても、その効果は時間の経過とともに減少していきます。
継続的に地域を活性化していくためには、継続的な活動が大事です。常に取り組み、前例踏襲ではなく新たな工夫や知恵を導入して実行することが必要です。
その場合のポイントは、「顧客が好むもの、欲しいもの、満足するもの」ではなく「顧客のためになるもの、喜ぶもの」を提供することがポイントです。
それは、顧客価値というものです。そして重要なのは顧客の感じる経験価値です。
あるレポートによると、食品スーパーにおいても広告宣伝などよりもサービス・サポートが顧客にとっては大事であるということです。顧客との接点での対応、つまり感情的なワクワク感や店での経験・体験が良いと、また次もこの店を使おう、何かを買おうということになります。
地域活性化においても、単に広告宣伝するのではなく、地域の各地域経営主体において、訪問者や生活者が、感情的なつながりや経験を得られるように経営活動をすることが大変重要です。地域において、感覚やセンスに訴えるものがある、感情的に強く惹かれるものがあるなどの魅力ある経験ができる仕掛けや活動に取り組みたいものです。
【参考文献】
海野進『人口減少時代の地域経営-みんなで進める「地域の経営学」実践講座』
第15講 地域において顧客価値、経験価値を創造、伝達する
第16講 活性化事例における顧客価値マーケティングの実態を見てみる
高橋広行「消費者視点のリテール・ブランド・エクイティ-食品スーパーを対象モデルにしたモデルの検討-」(JAPAN MARKETING JOURNAL Vol.33 No.4(2014),http://www.j-mac.or.jp)
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地域活性化について、いろいろな講演等があり、講師からは地域活性化で成功している例の紹介等があります。それを聞いて、なにかに取り組みたいと思うこととなります。
「儲かる業種があるのでない。儲かるやり方があるのです。」(ある有名な経営コンサルタント)
このコンサルタントが言いたいことは、「儲かっている業種がないでしょうかとよく聞かれる。しかし、儲かっている業種がありそれをやれば儲かるというものではない。やり方、経営の仕方、マネジメントの仕方、マーケティングの仕方が上手であれば儲かるのである。」そういうことです。
地域活性化においても、他の地域活性化の事例を参考に、同じような内容をすることがあります。
しかし、単純に真似たからその地域も活性化するというものではないと思います。
例えば、商店等に人形を飾るとか、自然の中にアート作品を展示するとかが行われます。
これらは、ほかの地域での活性化事例を参考にされているのではないかと思います。しかし、そのすべてうまくいっているとは言えません。商店に人形等を展示するというのは村上町屋商人会(新潟県村上市)の例を参考にしたものかもしれませんが、ただ単に人形を飾るというのではあまり効果が期待できません。村上においては、村上市における城下町の歴史を背景に、町屋作りという特色を生かし、店の人との会話や丁寧な注意書きなどもあり、相互に気持ちよく交流できるように工夫されていますし、継続的な活動努力があります。
やり方、ノウハウの蓄積、つまりは、知恵・工夫・ノウハウ等の資産が蓄積されているということです。それらは、具体的なやり方であり、その内容は、マネジメントにおける知恵・工夫・ノウハウ等であり、マーケティングにおける知恵・工夫・ノウハウ等です。
一方、現在注目されている まちゼミ や 百円商店街 はそれぞれ主唱した人たちが、細かいやり方やノウハウを丁寧に指導をされていますし、それについて著書もあらわされています。これらにより実施のポイントをつかむことによって、ただ真似をするのではなく、効果的なやり方を学んだうえで実行するため、効果が上がります。
地域活性化においても、儲かるやり方=経営学(経営理論等)を参考に、取組み成果を上げていきたいものです。
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